『悪いことをしたから精神疾患になったんじゃない。なりたくてなったんじゃない。』
みんな同じで希望を持って生まれてきました。それなのに「差別」を受けたり、「人生を諦めた」という人がたくさんいます。
精神疾患になり、たくさんの喪失を経験するといいます。人生の喪失・生きる活力の喪失・人や社会との結びつきの喪失・自分という感覚の喪失、など。中には家族を失ってしまうことも珍しくありません。さらには「差別」にご本人様やご家族様までも苦しめられ生きづらさを抱えながら生活しているのです。
目覚ましい医療の発展により、定期的な通院と正しい服薬を続けていくことで症状は安定します。しかし、あまりにも大きなたくさんの喪失を薬で埋めることはできません。今日食べたい物を買って食べる、休みの前日はTV観ながら夜更かしをする、好きな時に友人と食事しておしゃべりをする、ひとり気ままにドライブする、仕事を頑張りお給料でご褒美を買う・・・。長期入院や症状によってこのようななんでもない気ままな生活ができず数年、数十年という大切な時間が過ぎてしまったという方はたくさんいます。
「その人がその人らしい人生を」
それが私たちの全ての支援の目標です。ご本人様とご家族様の考えや生活に合った支援を提供することが大切です。ご本人様が疾患や長期的な入院、経済的な問題で困っているのであれば、体調を整えた上で生活技能訓練等を一緒に行い、ひとつまたひとつできるようになお手伝いをさせていただきたいと思います。たくさんの喪失によって絶望を味わってしまったご本人様と共にまずは小さな達成感をたくさん喜び心身共に健康で楽しい日々を送れるように寄り添った支援ができるよう、私たちスタッフ一同自己研鑽に励んで参ります。
支援に迷った時、つまづいた時は
「自分だったらどう思うか」
「自分の大切な人(親や子供など)だったらどうするか」
と考え抜く。それがkokoro groupです。
最後に、2011年に私は精神科看護師として自信を持って開業しましたが、間もなく、分かったように思っていたのは病院内のほんの一部でありその他99%は知らない事だと痛感し撃沈しました。そのような私に、ご利用者様やご家族様、関係機関のみなさまが惜しみなく様々なことを教えてくださいました。無知で非力な私を助けていただいたおかげで今のkokoro groupがあります。また、現在たくさんの方々への支援ができているのは、決して有能な経営者でない私の目標に賛同し協力してくれているスタッフのおかげです。人より秀でているものがない私が唯一持っているものは「人に恵まれている」ところだと思います。
利用者様、ご家族様、関係機関のみなさま、スタッフのみんなに常に感謝を忘れず、恩返しとしてできることを増やし、できる限り頑張っていこうと強く思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
kokoro group
代表 粕尾 薫